パニック障害は100人に2人は診断を受けていると言われるほど身近な病気になっています。
医療クリニックや脱毛サロンで脱毛したいと考えている方の中には「実はパニック障害なんだけれども大丈夫かな…」と感じている方もいるのではないでしょうか。
中には今はもうパニック障害は治っているけれど不安を感じている方もいますよね。パニック障害は発作がいつ起こるか分からない上、発作の苦しさを知っているだけに脱毛したいけど心配…と躊躇している方がほとんどです。
パニック障害歴がある方が脱毛する場合は、脱毛するための条件や注意点などをきちんと知っておくことが大切です。特に「顔脱毛」は、脱毛する部位に気をつける必要があります。
ここでは、
- 【パニック障害と脱毛】
- 【パニック障害と顔脱毛】
についての疑問を解決していきます。
パニック障害と【脱毛】に関する4つの疑問を解決
そもそもパニック障害がある場合は脱毛することはできるのでしょうか。また、万が一脱毛の施術中に発作が起きてしまったらどうなるのでしょうか。
ここでは【パニック障害は脱毛できる?】【脱毛できない条件】【施術中に発作が起きてしまった場合】【脱毛できない病気はあるのか】についてまとめてみました。
①パニック障害でも脱毛はできるの?
パニック障害でも脱毛ができるかどうかは、脱毛サロンや医療クリニックによって異なります。できる店舗もあればできないところもあります。
医師が常駐している医療クリニックは脱毛サロンに比べると脱毛可能な場合が多くなっています。
パニック障害とは?
パニック障害でも脱毛が可能としている店舗でも、多くの場合は条件付きで対応可能とする場合が多くなっています。
パニック障害を持っている方の対応例
- 担当医の許可が必要
- 「何かあった際に責任は負えない」という同意書にサインが必要
- 発作が起こった時のために同行者が必要
- 施術中に発作が起きた場合はそれ以降の施術は不可
など、店舗によって対応は様々です。
症状によっては脱毛が難しい場合もあるので、脱毛の契約をする際は必ず詳しい説明を聞き、双方の合意の上で行うようにしてくださいね。
②脱毛できない「条件」とはなに?
パニック障害を持っている場合の脱毛可否は店舗によって異なりますが、次の条件が当てはまる方は脱毛できない場合が多くなっています。
脱毛ができない2つの条件とは?
条件1:薬を服用している
パニック障害に限らず、脱毛当日(店舗によっては脱毛前後数日)は薬の内服を禁止している場合がほとんどです。パニック障害を内服薬で治療している場合は脱毛できないことが多くなっています。
条件2:発作の症状が出る疑いがある人
緊張しているとパニック発作を起こしやすく、脱毛施術が発作を引き起こす原因になる場合もあります。発作が突然起きてしまった場合の対処ができなかったり、施術台からの転落、火傷等の怪我などの危険性が高くなります。そのため脱毛中に発作が出る疑いがある場合は、脱毛ができないことがあります。
脱毛を契約する前の事前のカウンセリングでは、既往歴や内服薬などの確認が行われます。安全に施術をするためにも、発作が起きる頻度やどのような場合に症状が出るのかなどを詳しく伝えるようにして下さいね。
③施術中に発作が起きてしまった場合はどうなるの?
「大丈夫」と思っていても脱毛する際は、普段とは違う緊張状態になることも多いため、発作が起きないと言い切ることはできません。また、パニック発作は一度完治しても再発してしまうこともあります。
万が一施術中に発作が起きてしまった場合はどうなるのでしょうか。
施術中に発作が起きてしまった場合の対応は?
発作が起きてしまった場合の対応は店舗によって異なりますが、医療クリニックなどは医師や看護師が対応する場合が多く、医療従事者がいない脱毛サロンは救急車などを呼ぶなどして対処する場合が多いようです。
また、パニック障害であることを隠して発作が起きてしまった場合は、スタッフ側が病状を把握していないために大きな騒ぎになってしまいます。事が大きくなると賠償金が発生することもあるので、パニック障害などの既往歴は全て正直に伝えておくようにして下さい。
パニック発作は、命に関わることはなく10分~30分ほどで自然と治まると言われていますが、突発的な対応に慣れていない場合は、適切な対処が難しい場合もあります。症状が出てしまった場合でも対応できる店舗を選ぶことが何よりも大切です。
脱毛が可能な場合でも、1回発作が起こってしまった場合はそれ以降の施術はできない場合もあるので、事前に解約手数料や違約金なども確認しておくと安心です。
④パニック障害以外にも脱毛を断られる病気はある?
パニック障害以外にも脱毛を断られる病気はあります。
詳細は脱毛を受ける店舗によって異なるため、事前に確認する必要がありますが、次の病気は施術が難しい可能性が高くなっています。
脱毛を断られる病気とは?
1.てんかん(癲癇)
てんかんは発作が起きると意識消失や全身痙攣などの症状が現れます。パニック発作と間違われることもありますが、てんかんは発作が起きると意識を失ってしまうことが特徴的です。
脱毛サロンは脱毛不可としている所が多く、医療クリニックは症状によりますが脱毛できるところもあります。ですが、てんかんの中でも次2つの診断を受けている方は脱毛ができません。
- 光過敏性てんかん:光の刺激に反応して発作を起こす症状がある方
- 難治性てんかん:てんかんの中でも症状が重く、発作が慢性化する症状の方
てんかんの既往がある方は、必ず主治医の許可を受けてから行うようにして下さいね。
2.内科系疾患
肝臓病や糖尿病、血液疾患や日常生活に支障がある疾患を持っている方は、症状が重くなるなどの危険が高くなるため脱毛できない場合が多くなります。
3.甲状腺疾患
甲状腺疾患は、新陳代謝を促す甲状腺ホルモンの分泌が大きく関係しています。
甲状腺に異常や障害があると体力の消耗や、新陳代謝が低下するなど身体の抵抗力が落ちることも多くなります。そのため、甲状腺疾患のある方脱毛施術を受けると肌の炎症や火傷、腫れなど大きな肌トラブルを起こす可能性が高くなるため脱毛できないとすることが多いようです。
4.心疾患
脱毛時の刺激によって病気を悪化させたり発作の原因になる可能性もあるため脱毛ができない場合が多くなっています。
5.皮膚疾患
肌の状態や症状によりますが、脱毛することによって疾患が悪化したり肌トラブルが起こる危険性があると判断された場合は脱毛を受けることができません。
その他にもケロイド体質や紫外線(光)アレルギーなども脱毛を断られる可能性もあります。
脱毛が難しいとされている病気でも、主治医が脱毛しても問題がないと判断すれば施術ができる場合もあるのでまずはかかりつけ医に相談してみてください。
脱毛で病気が悪化してしまったり肌トラブルなどが起きると、何よりも自分自身が一番苦しく、また火傷など肌トラブルが起きてしまう場合もあります。どうしても脱毛したいからといって病気を隠すことは絶対にやめるようにしてくださいね。
パニック障害と【顔脱毛】に関する3つの疑問を解決
パニック障害でも脱毛することはできますが、「顔脱毛」をする場合は注意が必要です。
ここでは【パニック障害歴があると顔脱毛は危険なのか】【顔のどの部位なら脱毛しても大丈夫か】【脱毛が怖いと感じる場合はどうすればよいか】についてまとめてみました。
①パニック障害の既往歴があると【顔脱毛】は危険なの?
パニック障害になると、光が異常に眩しく感じる症状など視覚が神経過敏になる方が多いと言われています。
脱毛時は、カメラのフラッシュのような鋭い光が発せられます。目に近い部位の脱毛は、施術時の光が目に届き発作を引き起こす可能性があるため危険が高くなるのです。
ほとんどの脱毛サロンや医療クリニックで使用している脱毛器は、脱毛する際に光を「バチッ」と放ちます。もちろん、施術時はゴーグルなどで目を覆っていますが、目に近い部位である「眉上」「おでこ」「眉間」「頬の辺り」を脱毛する場合は、脱毛時の光が皮膚を通じて目まで届きます。
光の感じ方のイメージを例えると
想像しただけでも思わず目を閉じたくなるくらい眩しいですよね。
施術時の光は、直接目に当たるわけではありませんが皮膚を通じてぱちぱちと光が届くため眩しく感じます。
パニック障害などの病歴を持っている場合は、その光に過剰に反応しパニック発作を引き起こしてしまう可能性もあるため気をつける必要があるのです。
②顔脱毛するならどの部位までなら大丈夫?
パニック障害の既往歴がある方が顔脱毛をする場合は、顔の全てが脱毛NGというわけではありません。顔の中でも、いちばん脱毛したいと感じている方が多い「鼻下」を含め、目から比較的離れている「鼻より下の部位」までなら大丈夫です。
パニック障害は、音や光に強く反応しやすく、また強い不安を感じると発作を起こすことがあります。一度完治しても再発する可能性は常にあるため自分で自分をを守ることが大切です。とくに、光に過剰反応してしまう症状がある方は脱毛部位にも注意するようにして下さいね。
③脱毛を「怖い」と感じた場合はやめたほうがいいの?
パニック障害は不安や恐怖から発作を引き起こすことが多いと言われています。そのため、「脱毛が怖い」と感じる方は、自分を守るためにもやめておいたほうが安心です。
脱毛は、全く恐怖を感じない方もいればものすごく恐怖を感じる方もいるなど感じ方は人によって異なります。脱毛することでパニック障害の症状が出るかどうかも人それぞれです。
でも、パニック障害は経験した人にしかわからない苦しさがありますよね。症状が重い方はまずはパニック障害の症状を落ち着かせることが優先です。
まとめ
パニック障害歴がある場合の脱毛対応は店舗によって異なります。
パニック障害が治っている場合でも、普段と違う環境下に置かれ不安や恐怖が強くなると再発し、発作が起きてしまう可能性も考えられます。万が一の場合に適切な対処をしてもらえるよう、事前に既往歴や内服薬等を伝えることが大切です。
また、「顔脱毛」を検討している方は、脱毛時の光に過剰反応してしまう危険もあるので脱毛する際は目に光が届きやすい部位は避け、「鼻から下」の範囲にしておきましょう。
パニック障害歴があるからと言って脱毛を諦める必要はありませんが、脱毛に対して少しでも恐怖を感じるようであれば、自分を守るためにもやめるようにして下さい。
脱毛サロンや医療クリニックの中にはパニック障害に理解があり、声掛けを多くするなど不安を取り除きながら施術を行ってくれる店舗もあるので、「怖さ」を感じず安心して脱毛できるところを探してみるのも良いかもしれません。